インフレで賃貸経営のコスト増大!支出を抑えるコツは?vol.1
▼インフレ時代の賃貸経営は利益率改善のチャンス

インフレの影響により、賃貸経営の収益構造が大きく変わり始めています。
人件費や資材価格の高騰により近年、原状回復費や修繕費は大きく上昇しています。
さらに、イランなど中東情勢の緊迫化による原油価格の上昇も、建築資材や設備機器の価格上昇に拍車をかけました。
中東情勢が落ち着いても「一度上昇した価格は以前の水準まで戻りにくい」との見方もあります。
コスト上昇は一時的なものではなく、「長期化する可能性が高い」と指摘する専門家も少なくありません。
しかし、市場環境に合わせて、支出を上手く抑えながら家賃を適正化できれば、利益率を高めることは可能です。
見方を変えれば、入居者が家賃見直しを受け入れやすい今のインフレ環境は、賃貸経営の体質を強化する絶好のチャンスともいえます。
今回は、賃貸経営の支出を抑えながら、長期的に利益率を高めるための具体的な方法を解説します。
▼原状回復費はコーティングや塗装で費用を圧縮する

コスト削減で最も即効性があるのが原状回復工事でしょう。
1回あたりの金額が大きいため、特に1棟物件や複数の物件を所有しているオーナー様の場合、年間で大きな差になります。
原状回復費を抑えるコツは、全ての物件を一律の基準で工事しないことです。
たとえば、築古・低家賃帯の物件では、全ての箇所を完璧に修繕する必要はありません。
入居希望者が気にするポイントに絞って対応するだけで、契約がスムーズに決まるケースもあります。
具体的には次のような項目です。
・水回り(キッチン・浴室・トイレ)の清潔感
・カビや結露の跡がないか
・エアコンが正常に使えるか
・給湯器が問題なく動作するか
・排水口や室内の臭い
一方で、築浅で高家賃帯の物件では、原状回復に費用をしっかりかけた方が良いこともあります。第一印象が重要なため、中途半端な補修を行うよりも、室内をきれいな状態に整えて早期成約を目指した方が、結果として収益面でプラスになるケースもあります。
オーナー様を悩ませる支出の一つが、大型設備の入れ替えです。
たとえばユニットバスは、本体交換と工事費を含めると40万円以上かかるケースも珍しくありません。
そこで注目されているのがユニットバスコーティングです。交換せずに表面を再生することで、費用を半分程度に抑えられます。
浴室の輝きがよみがえり、工期も1日程度で済むのがメリットです。
また、クロスについては、入居期間が短期で状態が良好であれば、必ずしも全面張り替えが必要とは限りません。部分補修やクリーニングで対応できるケースもあります。
最近では、クロスを張り替えるのではなく、塗装で再生する方法が広がっています。張り替えと比べて費用を半分程度に抑えられ、原状回復費の削減につながります。

あわせて読みたい
-
ハウスウェル住宅ローン改正民泊注文住宅減税訳アリ
賃貸業界注目ニュース4選:7月号
▼注文住宅を検討中の7割超が「住宅性能を重視したい」と回答 注文住宅を検討中の7割超が「住宅性能を重視したい」と回答 NEXERと鈴木環境建設が注文住宅を検討中の方を対象に実施したアンケートに..
-
WI-FIスマートホームハウスウェル差別化空室対策設備関連賃貸経営
空室対策×家賃アップを実現するスマートホームとは?vol.2
▼スマートホームに必要なコストと回収期間の目安 スマートホームに必要なコストと回収期間の目安 オーナー様にとって、スマートホームは、大規模な工事が不要な点も魅力です。WiFi環境を整えれ..
-
スマートホームハウスウェル利便性省エネ空室対策設備関連賃貸経営賃貸設備防犯性
空室対策×家賃アップを実現するスマートホームとは?vol.1
▼賃貸市場は差別化の時代に突入。利便性・安全性のニーズが拡大中 スマートロックや防犯センサーを導入したスマートホーム導入物件 賃貸物件は、これまで「駅近」や「築年数」といった条件が重..
-
オーナーズ保険タワマンハウスウェル億ション売却費用大家さん賃貸経営防犯対策
賃貸業界注目ニュース4選:6月号
▼新築億ション、東京都を中心に25都道府県で供給増加 新築億ション、東京都を中心に25都道府県で供給増加 東京カンテイの調査によると、昨年の新築億ションの供給は全国で8,266戸とな..
-
インフレハウスウェル定期借家 賃貸借契約 再契約物価高騰 資材不足稼働率 賃料改定賃貸経営
今、注目されている「再契約型」定期借家とは?vol.2
▼再契約型の定期借家契約のメリット ここからは、オーナー様がこの契約形態を採用することで、どのようなメリットが得られるのかを整理していきます。 ▼メリット1:稼働率を高めやすい ..
-
ハウスウェル不動産契約不動産賃貸再契約型定期賃貸借契約普通借家契約賃貸経営
今、注目されている「再契約型」定期借家とは?vol.1
▼普通借家の弱点を補う「再契約型の定期借家契約」 普通借家の弱点を補う「再契約型の定期借家契約」 近年、安定経営を目指すオーナーの間で注目されているのが「定期借家契約」です。 たと..
-
2027年問題ハウスウェル投資改正消火器省エネ空室対策給湯器設備関連賃貸経営賃貸設備
知らないと損する!2027年前後の賃貸設備の新ルール vol.2
▼給湯器(ガス温水機器):2028年以降は高効率タイプが主流 給湯器(ガス温水機器):2028年以降は高効率タイプが主流 給湯器についても、今後は省エネ基準の強化に伴い、高効率モデルが標..
-
ハウスウェル投資投資用不動産改正省エネ省エネ基準賃貸経営賃貸設備
知らないと損する!2027年前後の賃貸設備の新ルール vol.1
▼エアコンや照明、給湯器、消火器の省エネ基準が強化 エアコンや照明、給湯器、消火器の省エネ基準が強化 「設備は壊れてから交換すればよい」。これまでの賃貸経営では、こうした考え方が一般..
-
ミニマム課税投資改正相続税制改正節税賃貸経営
令和8年度税制改正で賃貸経営はどう変わる?vol.2
▼ポイント2:不動産小口化商品の評価が取引価額ベースに 今回の税制改正大綱では、不動産小口化商品(任意組合型等)についても、評価方法の見直し方針が示されました。 そもそも「任意組合型」と..
-
投資用不動産改正相続税金節税賃貸経営
令和8年度税制改正で賃貸経営はどう変わる?vol.1
▼賃貸オーナーが注目すべき税制改正の3つのポイント 今回の税制改正において賃貸オーナー様が特に注意したいポイントは、以下の3点に集約されます。 ・貸付用不動産の相続税評価の厳格化・不..
-
設備関連
LPガスの商慣行、無償貸与に罰則!注目点は?
56%のガス事業者が集合住宅の設備費を負担経験ありと回答 賃貸物件におけるLPガス(プロパンガス)の料金の請求については、長年にわたり入居者に不利益をもたらす商慣行があると、国や有識者などから..
-
設備関連
共同住宅の消火器について
賃貸マンションやアパートなどの集合住宅は消防法の区分けで「防火対象物」に分類されています。 消防法および消防法施行令は、「共用部分に業務用消火器を設置しなければならない」と定めており、防火や..
-
設備関連
賃貸物件デジタルツールの実態調査
情報通信技術市場の調査を行うMM総研が、賃貸アパート・マンションを一棟単位で所有する全国のオーナーを対象に行った「集合住宅のデジタルツール導入実態調査」の結果が発表されました。 調査によると..
-
設備関連
賃貸マンションの付加価値を高めるワンランク上の防犯設備!
賃貸マンションオーナーにとって、空室リスクを下げる対策は必須です。マンションの所在地に応じて、ニーズを満たす工夫をすることが空室を満たすポイントとなります。今回は、近年高いニーズを保っている防犯設..
-
設備関連
繁忙期に向けた効果的な空室対策「共用設備」
季節が動き、秋から冬に移り変わりつつあります。そして年が明けたら1~3月の繁忙期が来ます。 このコーナーでは、間もなくやってくる繁忙期に向けた効果的な空室対策を「共用部編」「設備編」「条件編」..
-
設備関連
アパート老朽化のリスク問題
建物の耐震基準には、旧耐震基準(昭和56年5月まで)と新耐震基準(昭和56年6月以降)の2種類あります。 新耐震基準では、震度7程度の地震でも倒壊しないように、①壁量を増やし、②基礎に鉄筋を入れ、③柱や..
-
設備関連
早めに対策を! 蛍光灯の2027年問題
2023年10月にスイスのジュネーブで「水銀に関する水俣条約第5回締約国会議」が開催され、全ての一般照明用の蛍光灯について、2027年末までに製造及び輸出入が禁止されることが決まっています。 ▼..